MutsuMutsu晴れ晴れ日記

晴れ晴れ人生を目指して!

合掌

松本で暮らすようになって早10年とは驚きだ。そしてこの10年はまさにバーちゃんとの毎日だった。東京は何回行っただろうか。温泉もどっぷり入った。うっとうしくも有り、可哀相でも有り、ただ娘だというだけでとにかく行ける限りは行った。バーちゃんはというと、いつでもどんな時でも待っていた。
もうすぐ90歳という頃に、突然歩けなくなった。相沢病院から鹿教湯リハビリセンター、分院、施設ハーモニー、そして最後協立病院で目を閉じるまで、娘としては苦しみと喜びがごちゃ混ぜの濃い1年10ヶ月だった。
これは自分もいつか行く道だし、バーちゃんにいい勉強をさせてもらったといえる。私の人生にも大きな意味があったといえる。

葬儀のあと、お風呂でよく一緒になった酒かす顔パック様が線香を上げにきたそうだ。葬儀を知らず、お風呂でめったに会わないほっそり様から聞いたらしい。
「名前はわからないんだけど、あの花の好きな優しそうなおばあちゃん、亡くなったそうですね」と言われたそうだ。
「花の好きな優しそうなおばあちゃんと言ったんできっこ様のことだとびっくりしたんです」とパック様は言ったらしい。
無名な人生でもそういう呼ばれ方をされたなら、よかった。