MutsuMutsu晴れ晴れ日記

晴れ晴れ人生を目指して!

格差社会の真実

外は小雨模様で傘をさしている人もいればいない人もいる。
窓際に腰掛けて行き交う人や車の波をぼんやり見ながら、いつのまにか師走になってしまって、あぁそうなんだとか感傷に耽ってみた。  
 「あの私、このたびおそうじのアルバイトでお世話になってます。先生はまもなくいらっしゃいますので、しばらくお待ちいただけますか ご本お持ちしますね。どんなのがいいでしょうねェ」と言って持ってきてくれた雑誌がへんだったので、アレ?この人美容院行ったことあんのかな?といきなり思って好奇心でいっぱいになった。もう外に興味は無く、化粧品のパンフレットなんかもっと見る気にならず そのアルバイトのおばさまに話し掛けた私だった。
団子の纏め髪のそのアルバイトさまは先生のとんがりサマが降りてくると、「それでは失礼致します」と言って帰って行った。 
トンガリ先生はまず鏡の前のパンフレットをみて苦笑い。
あの品のいいアルバイトさまは七十二歳、一人暮らし。朝1時間の掃除募集の張り紙をみてどうしてもと申し込んできたのだそうだ。本職は料理屋の皿洗い、そうじが済んだら料理屋に向かうらしい。そのシニアアルバイトさまが勤めだしてまもないある日、とんでもない事が起きた。あのどうみたって品のよい物腰の顔が水道料が落ちないからお給料を前借りしたい。年金まで待てないからと相談を仕掛けてきたのだそうだ。たった4千円を先渡ししたその時、これはえらい事になったとトンガリ先生は気づいたのだそうだ。若い頃は洋装店にいたらしく、上品な雰囲気があるのに現実は哀れなものだ。 それともあそこまで品のある人格を持って働き生き抜く強さをたたえるべきか・・・。 
 師走の公共料金は高い。
明日のことは誰だってわからないけれど、その歳まで何をしてきたのかと言われないような生き方をしなくてはいけない。