ほんまかいな

　しゃら熱いお風呂で私の顔を覗き込んでしゃべってくるのは、酒かす顔パックのワンワさんだ。　
　お風呂仲間の一見利発そうなミソラヒバリさまとハヤシさんはそれぞれ宗教に入っていて　どちらもお金を相当つぎ込んでバカだという話し。　まあ、そんな話しこんな所で大丈夫？とハラハラしながらも聞いちゃった。
　ハヤシさんは貧乏な一人暮らしで　食べるものも節約している状態だというのに寄付ばかり、自分だったら買えない井上のうなぎも差し入れるんだそうだ。本人が自分でいいと思っているからどうしようもないということだった。
ヒバリさまの方はもっと深刻で　宗教家が株で儲けてくれるというので　ご主人の退職金を全部預けてしまったのだそうだ。それがご主人には内緒だというから恐ろしい。やめようとした人がいたが　今だとすごく少ししかお金は戻ってこないと言われたんだそうで、やめるにやめられないんだそうだ。預けたお金がどうなっているのか全くわからないんだそうだ。それなのにワンワさんにまで　いい儲け話しがあるからやってみないかと言ったらしい。
へぇー、そりゃとんでもないことだわ。

　バーちゃんがしっかりしてると思うのはこんな時だ。お風呂から上がってバーちゃんは　ワンワさんにいろいろ話しちゃいけないよと私に言った。