今日の温泉
春はゆっくり近づいている。夕方からしずかに霧雨。
今日も 毎度温泉の戸をがらっと開けたら、籐のイスが目に飛び込んできた。
このごろは立ち上がるのが大儀なバーちゃんの為に 私もイスを置いたらどんなに楽かと思いながら、しかし勝手な事ができずにいた。 こうだったらなァと思っていたことが 思いがけず人からしてもらったことに 私はすごく嬉しくてすごく感謝した。「バーちゃん よかったねェ」
帰り際、バーちゃんは面白いくらいに イスからスッと立ち上がった。あいにく誰にも会えなかったが、籐イスだから旅館の人か、それとも酒かすパックのワンワさんか、その仲間のひばり様か、介護施設で働いてる親切さんか、想像するも楽しく帰って来た。
みのもんたが言っていた。 「人間、背負い込む(しょいこむ)時は 背負い込んでみることよ、苦労すればするほど得るものも大きいからさ」と。
私は、おかげさまで今のところ苦労は無いが そういうページの中にいる。
歳を重ねるということや、毎日のいろいろのよろこびや葛藤をどっと感じながら進んでいる。
いつかこのページもめくる時がくるだろう、その日まで 私は私のできることをしていたい。
また会えた 母喝采し 福寿草 <睦睦>