すきーをかついでおやかつがれたのかなって
スキーに向かう途中、金欠説明と就活情報を伝えに マリちゃんは一晩だけ帰ってきた。
私などは 月10万の仕送り・家賃別の東京暮らしが どんなにかウラヤマシクてスゴイと思うのに、さらにシゲジの上京甘やかし金までもらえて、これはフジッコ氏だってそうやって学生時代を過ごして今があるのだが、果たして なぜそうなのかをよく分っているだろうかとしばしば思ってきた。
親にお金をあげたいと思ってウエストンホテルや松本城でアルバイトをしたり、銀行に就職を決めたのだってけっきょく親が喜ぶと思ったからだった、なんていう話しは時代遅れかもしれないが、心の基本は変ってはいないはず。私が韓国ドラマにはまったのは その一点を強烈に思い出させてくれたからで、親子について思うことがふえた。
現実は厳しく、甘い。
けっきょく、金欠補てんはモチロンのこと クツだカバンだ洋服と揃えてあげた。 就活にだけは手を抜きたくないし、健闘を祈ってのこと。
親というのは単純だ。 なってみてわかった。 親なんて、子どもが嬉しければ嬉しいのだ。
だから それぞれが自分の人生を幸せに歩いて欲しいと 死ぬまで願いつづけていくのだろう。
その日、お寿司を食べながらマリちゃんは言った。 就職したら今のマンションを出ると言った。
マリちゃんの自立宣言は それなりのショックとともに、大いに喜びたいと 後になって思った。 シゲジも同じだったらしい。
まっさらに 眩しすぎたり 春の雪 <睦睦>