MutsuMutsu晴れ晴れ日記

晴れ晴れ人生を目指して!

落ち着ついちゃったバーちゃん その1

山の温泉病院の分院は、日曜だからといって家族の訪れでごちゃごちゃするわけでなく、相変わらずひっそりしている。
擦れ違う人はいつも擦れ違う人だ。
奥さんを見舞って毎日上田市内からバスで通って来るおじいさんがいる。自分さえも腰が曲がってしょぼしょぼしたおじいさんだ。車イスの奥さんはこんな体になってしまって本当につらいといつも下を向いている。独立した立派な子どもたちは、それぞれが遠くに暮らしそれぞれが忙しいのだそうだ。
そのおじいさんがこの分院の不満を口にした。私なんかは本院から移ったその日に感じたことで、病院の意見箱にもびっしり書いて出してみたことだ。なしのつぶてだったけど。
この分院はというと、国の方針とやらで何年か後には無くなるのだそうだ。これ以上介護士を増やすことも無理だろう。安い賃金で臭い仕事じゃ無理もない。精一杯の理解をしてこちらが合わせるしかないのだ。
此処ってほとんどがしゃべれずじーっとしている年寄りばかりだからか。自分の親だと思って、ちょっとでもそういう心がけで接してくれたらいいのになぁなんて、そんなことはとても言えないけど。
心配しながらも大学受験に行って帰ってみると、へんに落ち着いちゃったバーちゃんになっちゃって、やっぱそういうことなんだろうなぁというかんじ。
「自分で選んで他を捜すしかないですよ」と私はおじいさんに言った。
こちらは去年の年末から奔走してるですよ・・。
しかし、
移りたいと思ってもこれが簡単でないことが現実なんだけど。