MutsuMutsu晴れ晴れ日記

晴れ晴れ人生を目指して!

ここは山の温泉病院 その4

病院に毎日行くように、文殊堂と薬師堂の鐘をたたくのも日課になった。
なぜならそこに鐘があるからだ。たたけよされば開かれんというしね。
文殊様は残念ながらご開帳のときしかお目にかかれないそうだ。あの襖の奥で御座なさっているのかご起立されているのか、はたまた金仏なのか木づくりかなんて思いながら手を合わせている。天井の竜の目は今日も勇ましく澄んでいる。こちらも目に力を入れて見上げる。約束よろだ。
次はみどり橋の方から病院に向かって歩く。訓練士とリハビリの人もゆっくり歩いている。

病院では今日はアルパの演奏会で盛り上がっていた。
すごい人だかりで、捜すとバーちゃんは一番前で手でリズムをとって聴いていた。
私は後ろの方で眺めながらアルパってなんかいな?だったが、インディアンハープのことだった。ポロロンロン〜だ。ほかにケーナとパーカッションの組み合わせだった。
途中で患者の中にハーモニカが得意な老人がいて、アルパと一緒に<ふるさと>をうたった。
    こころざしをはたして いつのひにかかえらん
生で聴くアルパはさすがにいい音色だった。
演奏会が済んで後ろからバーちゃんの肩をたたくと、振り向いた目には涙があふれていた。