威風堂々

銀行の雰囲気は微妙に懐かしくて、今でも外から入っていく瞬間は格別な思いがチラッとよぎる。しかし今更だ。もう28年も経ってしまった。
カウンターの後ろのほうで、偉そうに座っているのはカナ母さんだ。立派なオーラを感じるのは私の気分のせいか。いいなぁ。いい姿だ。
融資相談のイスにちゃっかり座って相談、じゃなくて子どもの話し、東京の話し、新大久保の話し、え、ドラマ！？好き？　花母さんと東京で飲んだ話し、次飲む約束をした。　
帰り際、若い人に持ってこさせたのは、この支店30周年の記念品だった。あら、悪いわねぇ。そのキャリアが、羨ましくもあり称えるものだ。

ところで今日はマリちゃんのバースデーなので、大金を振り込みに窓口へ行ったのだ。結婚式はいよいよだ。
茶母さんはいいですね羨ましいと、今度はカナ母さんが言った。