台風一過

　猛烈な暴風の一夜が明けて、今日は澄みきった空になった。
今日は　冴冴さんがめでたく退院。すでに空っぽになったベッドをみて帰ってみると、ハルハル夫妻と冴冴さんが家の前で私を待っていた。「寄るなら何か持ってくれば良かった」？？とハルハル様は絶妙な言い回しをしながら家の中へ。冴冴さんは眼帯に神妙な顔でしたがっているというかんじだったが、その歩き方に普通の生活ができそうな印象を私は受けた。お茶、昼ごはんと私は作る人であったが　その間ずっとハルハル様のモーレツ説教は続き、タケおばさま、マスおばさま、カアチャン、カヨチャ、近所のなんとかサン、病室にいた重病人さん・・、生きてる人も死んだ人も次々登場させて、　要約すれば、人はけなげに生きなければいけない､人に迷惑を掛けまいとするのが本当の生き方だ。我慢というものを持って、しっかり自立せよ！というようなことを延々とはなし続けた。ハルハルさんのだんなさんは　うまいこと相づちをうちながら、勝手に分厚い本を取り出しながめ、そこに天皇様や皇族様の御名前がでているのを見て、びっくり仰天していた。私がウチの金魚も片目だけど3年も生きてますと口をはさむと、みんな水槽に集まり、それでやっと流れがかわった。
　　　　　　　　アテネ閉じ　シズカニ秋の　ページ開く　　＜睦睦＞